Letter 発生:体節でのWnt16/Notch経路が造血幹細胞を指定する 2011年6月9日 Nature 474, 7350 doi: 10.1038/nature10107 造血幹細胞(HSC)は自己再生する細胞集団で、個体が生まれてから死ぬまであらゆる血球系や免疫系の細胞を継続的に供給し続ける。HSCは急性白血病や先天性血液疾患など、広範囲の疾患の臨床治療に用いられるが、十分な数の細胞を入手したり、免疫適合するドナーを見つけたりするにはいまだに大きな問題がある。こうした難題から、胚性幹細胞や誘導多能性幹細胞を変換してHSCを作り出すことに関心が向けられているが、現在の手法ではまだ不可能である。この目標を達成するためには、胚発生におけるHSCの指定に関連する本来の機構を理解することが必須である。本研究ではゼブラフィッシュで、Wnt16がHSCの指定に必要とされる新規の遺伝的制御ネットワークを制御することを示す。Wnt16による従来と異なるシグナル伝達は、NotchリガンドであるdeltaC(dlc)とdeltaD(dld)の体節での発現に必要とされ、さらにこれらのリガンドは最終的な造血に必要とされる。DlcとDld下流のNotchシグナル伝達は、既知の細胞自律的なNotchの必要性とは明らかに異なり、かつそれよりも早期に見られるもので、新規のNotch依存的な中継シグナルが、すでに確立されている他の経路と並行して、最初のHSCを誘導することを強く示唆している。今回の結果は、体節特異的な遺伝子発現が造血系内皮を生み出すのに必要とされることを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る