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細胞:母性転写因子Glis1による体細胞初期化の促進

Nature 474, 7350 doi: 10.1038/nature10106

人工多能性幹細胞(iPSC)は、OSKと呼ばれる3つの転写因子(Oct3/4[Pou5f1とも呼ばれる]、Sox2およびKlf4)を遺伝子導入で体細胞に発現させることによって作製される。しかし、iPSCへの転換は非効率的である。がん遺伝子MycはOSKを用いたiPSC作製の効率を向上させるが、作製されたiPSCの腫瘍形成能も同時に増加させる。今回我々は、Gli様転写因子Glis1(Glis family zinc finger 1)は、マウスおよびヒトの繊維芽細胞において、OSKと共に発現した場合にiPSCの作製を著しく促進することを示す。この転写因子の組み合わせによって作製されたマウスiPSCは、生殖系列への分化能力を持つキメラマウスを形成する。Glis1は未受精卵ならびに1細胞期胚で高く発現している。DNAマイクロアレイ解析の結果、Glis1はMyc、Nanog、Lin28、Wnt、Essrbおよび上皮–間葉転換を含む複数のリプログラミング促進経路を促進することが明らかになった。今回の結果は、iPSCの作製においてGlis1が体細胞初期化を効果的に促進することを示している。

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