Letter 構造生物学:タンパク質輸送を促進する膜成分SecDFの機能と構造 2011年6月9日 Nature 474, 7350 doi: 10.1038/nature09980 分泌トランスロコンSecYEGとSecA ATPアーゼにより媒介される、細菌の膜を越えるタンパク質輸送は、SecYEGと結合する膜内在SecDFとプロトン駆動力とにより促進される。SecDFは、タンパク質輸送の後期過程および膜タンパク質の生合成中に機能すると考えられているが、その役割はまだはっきりしていない。今回我々は、3.3 Åの分解能でThermus thermophilus由来SecDFの結晶構造を決定し、RNDスーパーファミリーに属する擬対称な12ヘリックス膜貫通ドメインと、2つの主なペリプラズムドメインであるP1とP4を明らかにした。ペリプラズムドメインのより高分解能の解析により、変性タンパク質に結合するP1が、機能的に重要なコンホメーション変化を起こすことが示唆された。in vitro解析により、SecDFとプロトン駆動力の両方を必要とし、ATPに依存しないタンパク質輸送段階が見つかった。電気生理学的な解析から、SecDFがpHと変性タンパク質の存在に依存してプロトンを通過させ、SecDとSecFの間の膜貫通領域界面にある保存されたAspとArg残基がプロトンとタンパク質前駆体の移動に必須の役割をしていることが明らかになった。以上より、SecDFはATPに依存しないタンパク質輸送を行うために、プロトン駆動力を原動力として膜内在シャペロンの機能を果たしている、と我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る