Article

構造生物学:同族FimC–FimH基質と結合したFimDアッシャーの結晶構造

Nature 474, 7349 doi: 10.1038/nature10109

1型線毛は、グラム陰性細菌が持つ接着性多サブユニット繊維のうちで広く見られる種類の典型的代表例である。線毛が組み立てられる際に、サブユニットはシャペロンに結合した複合体として、アッシャーにドッキングする。アッシャーは、それらの重合を触媒し、外膜を通る線毛の移動を仲介する。今回我々は、FimC–FimHシャペロン–アドヘシン複合体に結合した完全長のFimDアッシャーの結晶構造と、FimD転位ドメインの非結合型の結晶構造を報告する。FimD–FimC–FimH構造から、FimHが、FimDの24本のストランドからなるβバレル転位チャネル内に挿入されていることが示された。FimC–FimHは、FimDのカルボキシル末端側の2つのペリプラズムドメインとの相互作用により適切な位置に保たれており、この結合様式は電子常磁性共鳴分光法により溶液中で確認されている。アッシャーのプラグドメインは、FimHを取り込むためにバレル内腔からペリプラズムへ移動していて、それと同時にβバレル中で顕著なコンホメーション変化が起こっている。FimDのアミノ末端ドメインは、新たに動員されたシャペロン–サブユニット複合体の取り込みを触媒するのに理想的な位置にあることが観察された。このFimD–FimC–FimH構造から、線毛サブユニットの取り込みサイクルについて他に類のない手がかりが得られ、同族基質を分泌中のタンパク質輸送体の最初の像が得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度