Letter 工学:グラフェン系広帯域光変調器 2011年6月2日 Nature 474, 7349 doi: 10.1038/nature10067 高い変調速度、小さい占有面積と大きい光帯域幅を兼ね備える集積光変調器は、オンチップ光相互接続を実現するデバイスになろうとしている。そのため、この数年にわたって、半導体変調器が重点的に研究されてきた。しかし、シリコン系変調器の素子占有面積は、その電気光学特性が不十分なため、ほぼミリメートル程度になる。一方、ゲルマニウムや化合物半導体は、既存のシリコンエレクトロニクスやフォトニクス系との集積が難しいことが主な問題となっている。シリコン変調器を高品質因子の光共振器と集積すれば変調強度は高まるが、これら素子は本質的に帯域幅が狭いという欠点があり、巧妙な光学設計が必要となる。これらはまた、製造条件が厳しく、許容できる温度に限界がある。したがって、相補型金属酸化物半導体(CMOS) と適合する材料で十分な変調速度・強度を持つものを見いだすことは、科学的に関心が持たれるだけでなく、工業的にも重要である。本論文では、単層グラフェンを使った広帯域、高速で、導波路を集積した電界吸収型変調器を実験的に実証する。グラフェンシートのフェルミ準位を電気的に調整して、1 GHzを超える周波数、そして周囲条件下で1.35 µmから1.6 µmの範囲の幅広い動作スペクトルで、導波光の変調を実証した。グラフェンが高い変調効率を持つことから、わずか25 µm2という活性素子面積が得られた。これは現在までの最小面積の部類である。このグラフェン系光変調機構は、コンパクトな占有面積、低動作電圧と広範囲の波長にわたる超高速変調速度という利点を兼ね備えており、オンチップ光通信の新しいアーキテクチャーを可能にする。 Full Text PDF 目次へ戻る