Letter 医学:ブタインフルエンザA型ウイルスの進化と伝播の長期にわたる動態 2011年5月26日 Nature 473, 7348 doi: 10.1038/nature10004 ブタインフルエンザA型ウイルス(SwIV)は、ヒトの疾患の場合と同様に、畜産業に重大な経済的損失を引き起こし、また、H1N1/2009ウイルスのようにヒトに広がって世界的大流行を引き起こすこともある。ブタではインフルエンザの体系的かつ長期間な監視が行われていないため、この大流行の発生起源を再構築する試みはうまくいかなかった。ブタに関する既存のデータの大部分は、ばらばらの地域で罹患したブタから便宜的に集められた試料から抽出されたもので、特定の地域での前向き研究に基づくものではない。そのため、SwIVの進化と伝播の動態はほとんど解明されていない。本論文では、650個以上のSwIV単離株、および香港での12年間にわたる体系的な監視によって得られた800個以上のブタ血清のデータセットを用い、さらに34年前までにさかのぼるデータを追加して、香港でのSwIVの疫学的動態、遺伝学的動態、および抗原の動態を定量化する。大陸間のウイルスの移動によって、ウイルスの遺伝子再集合と系統の交替が起こり、これまでにヒトインフルエンザウイルスに観察されていたものとは抗原の動態と遺伝学的動態が量的に異なるウイルス集団が生み出されている。我々の知見は、抗原ドリフトの増加が遺伝子の再集合事象に関連することを示し、また、ブタとヒトで流行する可能性のあるインフルエンザウイルスの出現についての手がかりを与える。 Full Text PDF 目次へ戻る