Letter

植物:内皮のカスパリー線形成には新規なタンパク質ファミリーがかかわっている

Nature 473, 7347 doi: 10.1038/nature10070

多細胞生物にとって、極性を持つ上皮は非常に重要である。動物上皮では、保存された接合部複合体が膜の拡散障壁と細胞接着を確立し、細胞間隙をふさいでいる。植物の細胞障壁の進化起源はこれとは別である。根の内皮は極性上皮と非常によく似ており、栄養の取り込みとストレス耐性にかかわっている。内皮のはっきりした特徴は特殊な細胞壁物質が帯状になったカスパリー線で、細胞外の拡散障壁を作っている。カスパリー線の局在位置を決める仕組みはわかっていない。今回我々は、これまで知られていなかった機能を持つ膜貫通型タンパク質のファミリーを同定し、性質を明らかにした。これらのCASP(Casparian strip membrane domain protein;カスパリー線膜領域タンパク質)は、カスパリー線が形成されることになる膜領域を特異的に示している。CASP1は植物の接合部複合体の成分に必要な多くの特徴を備えている。すなわち、他のCASPと複合体を形成し、いったん配置されると固定されて巨大な重合体のように堆積する。CASP二重変異体ではカスパリー線の構造が異常になり、これは細胞壁が変形されてできるカスパリー線の構造と配置にCASPが役割を持つことを示している。我々の知るかぎり、CASPは植物の細胞膜と細胞外拡散障壁確立にかかわることが明らかになった初めての分子であり、真核生物での新規な上皮障壁形成の方法を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度