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生態:種数–面積関係に基づくと、生息場所の喪失による絶滅の速度は常に過大に見積もられる

Nature 473, 7347 doi: 10.1038/nature09985

生息場所の喪失が原因の生物絶滅は、21世紀の特徴的な保全問題である。絶滅速度の推定は、重要であるにもかかわらず、絶滅を実証するための検証された直接的な方法も信頼性の高いデータも存在しないため、いまだに不確実性が非常に高い。最も広く使われている間接的な方法は、種数–面積蓄積曲線を逆行して、小さな面積に向かって後ろ向きに外挿し、予想される種の喪失を計算して、絶滅速度を推定するものである。この方法による絶滅速度の推定値は、実際に観察される速度よりもずっと高くなる場合がほとんどである。この不一致から生まれたのが「絶滅の負債(extinction debt)」という概念である。これは、生息場所の喪失および個体群サイズの縮小によって「絶滅する運命にある」が、非平衡期にあってまだ絶滅には至っていない種を指す。今回我々は、現在定義されているような「絶滅の負債」が主としてサンプリングの人為的産物であることを明らかにした。これは、種数–面積関係(SAR)を組み立てる際と、生息場所の喪失による種の絶滅を外挿する際とで、基礎となるサンプリングの問題に認識されていない差異があることに起因する。その重要な数学的結果として、種の最終個体の排除(絶滅)に必要な面積は、種の分布および空間的規模とは関係なく、サンプリングで種の個体と最初に遭遇するのに必要な面積よりも大きく(ほとんどの場合きわめて大きく)なる。我々はこれらの結果の例証として、マッピングされた大規模な森林調査区の世界的ネットワークおよび米国本土のスズメ目鳥類種の分布域から得たデータを例示し、絶滅速度の見積もりが実際の160%以上にもなる場合があることを明らかにする。生息場所の喪失による絶滅には従来の想定を上回る生息場所の喪失が必要だというのが我々の結論であるが、この結果を生息場所の喪失による絶滅を見くびることにつなげてはならない。こうした絶滅は実存し、拡大しつつある脅威なのである。

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