Letter 代謝:海洋細菌に広く認められる新規のジメチルスルホニオプロピオナート同化経路 2011年5月12日 Nature 473, 7346 doi: 10.1038/nature10078 ジメチルスルホニオプロピオナート(DMSP)は、海洋表層水中の海洋性植物プランクトンが固定する炭素の10%にも上り、推定で年間11.7〜103 Tmolの硫黄を生成する。その大部分は、海洋細菌によって脱メチル化/デメチオレーション経路で分解される。この経路では、気候に影響を及ぼすガスであるジメチルスルフィド(DMS)ではなくメタンチオール(MeSH)が放出され、海洋微生物はその還元硫黄を同化できる。微生物によるこの重要な変換は20年以上前から認識されてきたが、その生化学的経路や関与する酵素に関してはまだ明らかにされていなかった。今回我々は、脂肪酸のβ酸化に関係する3つの新発見の酵素が、DMSPの脱メチル化/デメチオレーションの最初の産物であるメチルメルカプトプロピオナート(MMPA)を同化する経路を構成すること、および、これまで知られていなかった3-メチルメルカプトプロピオニルCoA(MMPA-CoA)とメチルチオアクリロイルCoA(MTA-CoA)という2つの補酵素A(CoA)誘導体が新規の中間体として形成されることを明らかにした。ロゼオバクター属の海洋細菌Ruegeria pomeroyi DSS-3は、MMPAの同化およびMeSHの産生にMMPA-CoA経路を必要とする。この経路およびMMPAからMeSHを産生する能力は、さまざまな細菌が持っており、広く見られるSAR11分岐群の細菌Pelagibacter ubiqueは、この経路の少なくとも最初の2段階の酵素を有する。海洋メタゲノムデータの解析により、この経路は海洋表層水中の細菌プランクトンの間に広く存在することが示され、海洋表層の従属栄養生物が還元炭素および還元硫黄を獲得するための最も重要な既知の経路の1つであることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る