Letter

物理:製造したスピンによる量子アニーリング

Nature 473, 7346 doi: 10.1038/nature10012

興味深いが実際には扱えない問題の多くは、相互作用スピン系の基底状態を見いだす問題へ還元できる。しかし、計算によってこのような基底状態を見いだすのはまだ困難である。いくつかの自然界に生じるスピン系の基底状態は、量子アニーリングと呼ばれる過程を通して実際に得られると考えられている。これを利用できれば、量子アニーリングによって、特定の種類の問題を解く既知の方法を改善できるかもしれない。しかし、量子アニーリングの物理研究は、凝縮物質系の微視的なスピンにおおむね限定されていた。我々は、量子アニーリングを使って、スピン–スピン結合をプログラムできる8個の超伝導磁束量子ビットのアレイからなる人工的なイジングスピン系の基底状態を見いだした。量子アニーリングの明瞭な特徴が観測され、これは系のダイナミクスが凍結する時間の温度依存性を通して古典的な熱アニーリングと区別可能である。我々が実現した方法はin situでさまざまなスピンネットワークを実現するように設定でき、ネットワークが低エネルギー配置に近づいていくと、各ネットワークをモニターできる。このプログラム可能な人工スピンネットワークは、理想的な孤立スピンネットワークの理論研究とバルク磁気試料の実験研究のギャップを埋める。さらに、スピンの数を増やせば、このような系から量子アルゴリズムを実装する実際的な物理的手段が得られ、特定の種類の難しい組み合わせ最適化問題を解くための、より有効な方法が可能になるかもしれない。

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