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動物:ヒトマラリアカにおける合成ホーミングエンドヌクレアーゼを使う遺伝子操縦システム

Nature 473, 7346 doi: 10.1038/nature09937

病気媒介動物の集団を遺伝学的に操作あるいは根絶する方法は、効果と生物種特異性という点で他に勝ると考えられるため、既存の抑制手段に代わる方法として以前から関心を集めてきた。遺伝子操作によってマラリア抵抗性の蚊が開発されたことは、この方法の原理証明となり、病気媒介動物として働く蚊を標的にできる可能性が明らかになった。このような成果を病気の抑制手段へと発展させるには、遺伝子操作を蚊の実験的集団から野外集団へと広げる有効な手法が必要になる。我々は以前に、簡単な構造の利己的遺伝因子の一種であるホーミングエンドヌクレアーゼ遺伝子(HEG)がこの目的に使える可能性を示唆した。本論文では、蚊の調節領域とホーミングエンドヌクレアーゼ遺伝子I-SceIからなる合成遺伝因子が、ヒトマラリアを媒介するガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)から作製したトランスジェニック蚊で、因子自身の子孫への伝達を大幅に増加させることを実証する。I-SceI因子は遺伝子を受容するケージ内蚊集団に迅速に侵入することが明らかになり、HEGの伝播動態の数理モデルが正しいことが確認された。分子解析により、雄の生殖系列でのI-SceI発現によって高率で部位特異的な染色体切断と遺伝子変換が誘発されて、I-SceI遺伝子の獲得につながり、これが観察された遺伝的駆動力の基盤となっていることが確かめられた。これらの知見は、遺伝的制御手段の実用化を可能にする新しい機構を明らかにしている。またこの結果は、HEGのような塩基配列特異的な遺伝的駆動因子を使って、個体の遺伝子操作を集団の遺伝子操作へと進展させる仕組みを原理的に明らかにしている。

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