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発生:SIRT1デアセチラーゼによる内皮Notchシグナル伝達のアセチル化依存的調節

Nature 473, 7346 doi: 10.1038/nature09917

Notchシグナル伝達は、細胞運命の指定や組織パターン形成に必須とされる主要な細胞間コミュニケーション機構であり、血管成長の重要な段階をも統御している。Notch活性の微妙な変化のみで内皮細胞の挙動や血管形成に大きな違いが生じうるが、内皮でのNotch応答の制御と適応についてはよくわかっていない。本研究では、NAD+依存型デアセチラーゼSIRT1が、内皮細胞でNotchシグナル伝達に対する内在性の負の調節因子として働くことを報告する。我々は、Notch1細胞内ドメイン(Notch1 intracelluar domain;NICD)の進化的に保存されたリジン残基に対するアセチル化が、NICDタンパク質の代謝回転を変化させることにより、Notch応答の強さと持続期間を制御することを示す。SIRT1はNICDと結合し、NICDのデアセチラーゼとして機能することで、アセチル化によるNICDの安定化に対して拮抗的に働く。したがって、SIRT1活性を欠く内皮細胞はNotchシグナル伝達に対する感受性が高くなり、DLL4の刺激に応答して増殖と発芽伸長(sprout elongation)が抑えられ、Notch標的遺伝子発現が亢進し、その結果、分枝のない茎状の細胞(stalk-cell)様の表現型が促進される。in vivoでは、ゼブラフィッシュとマウスにおけるSirt1の不活性化は、Notchシグナル伝達が亢進した結果として、血管の分枝と密度の低下を引き起こす。今回の結果から、NICDの可逆的なアセチル化がNotchシグナル伝達の動態を適応させる分子機構であることが明らかとなり、SIRT1が内皮のNotch応答を微調整する加減抵抗器として働くことが示された。

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