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生化学:酵素が触媒する[4+2]環化付加反応は、スピノシンA生合成の重要な段階の1つである

Nature 473, 7345 doi: 10.1038/nature09981

ディールス–アルダー反応は、1,3-ジエンと電子不足型アルケンとの間に、1回のペリ環化反応遷移状態を経てシクロヘキセン環が形成される[4+2]環化付加反応である。この反応は、シクロヘキセン環を含む多くの二次代謝物生合成における重要な変換反応だとされている。しかし、ディールス–アルダー反応と一致する生体内変換反応にかかわるとされている酵素でこれまでに精製されているものは、ソラナピロンシンターゼ、LovB、マクロフォミン酸シンターゼ、リボフラビンシンターゼの4つに過ぎない。これらの反応の生成物の立体化学的性質からすると、いずれの場合も、反応産物の生成に酵素がかかわっている可能性が示唆されるが、これらの酵素は概して複数の触媒活性を示しており、そのため環化付加反応に特異的にかかわっているのかどうかははっきりしていなかった。今回我々は、Saccharopolyspora spinosa由来の四環系ポリケチド誘導体である殺虫物質スピノシンA生合成の研究で、渡環[4+2]環化付加反応を触媒してスピノシンAのシクロヘキセン環を形成する環化酵素SpnFを同定した。速度論解析により、SpnFが環化反応を特異的にほぼ500倍に加速することが明らかになった。また第二の酵素SpnLが、スピノシンAの四環系コアを完成する最後の架橋反応をRauhut–Currier反応と一致する様式で行う酵素であることがわかった。SpnFは、[4+2]環化付加反応の触媒だけを行う孤立型酵素であることがin vitroで明らかにされた初めての例であり、そのためこの研究は重要である。また、スピノシンAが持つ複雑なペルヒドロ-as-インダセン部分の形成機構が、今回完全に解明された。

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