Letter 進化:ツノゼミ類での特別な翅様付属肢の進化によるボディープランの新機軸 2011年5月5日 Nature 473, 7345 doi: 10.1038/nature09977 ボディープランは、系統分類学的に高位にある動物分類群の解剖学的構成を特徴付けるもので、付属肢(脊椎動物の外肢、昆虫の歩脚や翅など)の縮小または喪失によって進化する場合が多い。逆に、新たな構造の付加はきわめてまれで、強い制約を受けていると考えられるが、こうした制約の本質は明らかになっていない。今回我々は、ツノゼミ類(Membracidae)の「ヘルメット」が実際には付属肢で、胸部第1節にある翅の連続相同器官であることを示す。この昆虫のボディープランの新機軸は、2億5,000万年にわたる昆虫の進化でほかに例を見ないものである。我々は、ツノゼミ類のヘルメットが、Hox遺伝子ファミリーの遺伝子の1つによる祖先的な翅形成抑制を回避することによって出現したことを示唆する証拠を提示する。Hoxファミリーは、体軸に沿った付属肢の数およびパターンを決めている遺伝子群である。さらに、ヘルメットのまれに見る形態的多様化が可能となったのは、翅とは異なり、飛行によって課せられる機能面の厳しい要求を受けずにすむためと考えられる。この例は、複雑な形態的構造がどのようにして、祖先から伝わる発生能力の発現によって生じ、1つの進化的系統の形態的多様化を促進する場合があるかを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る