Letter 進化:種子植物と被子植物の祖先に現れた多倍数性 2011年5月5日 Nature 473, 7345 doi: 10.1038/nature09916 全ゲノム重複(WGD)すなわち多倍数性とその後に起こる遺伝子喪失や複相化は、動物、菌類をはじめとするさまざまな生物、特に植物での重要な進化の原動力である、と長い間考えられてきた。被子植物の繁栄をもたらした一因として、遺伝子重複や全ゲノム重複を伴う革新的変化が挙げられている。しかし、単子葉植物と真正双子葉植物の分岐に先立って古代のゲノム重複が起こったと言われるが、保存された遺伝子の順序の分析では、それをはっきり示す証拠はいまだに見つかっていない。今回我々は、塩基配列が解読されている植物ゲノムと、系統発生学的に重要な植物系統由来の1,260万個を超える新しい発現配列タグとの包括的な系統ゲノム解析を用いて、古代に2群の遺伝子重複が起こったことを明らかにした。一方は現生種子植物の共通祖先で、もう一方は現生被子植物の共通祖先で起こっている。遺伝子重複現象は約3億1,900万年前と約1億9,200万年前に特に集中しており、祖先系統における2群のWGDはそれぞれ、現生種子植物と現生被子植物の多様化直前の祖先系統に関係付けられる。特に重要なのは、これらの古代のWGDの結果として種子や花の発生に重要な調節遺伝子が多様化したことであり、これはWGDが大きな革新に関与して、最終的には種子植物および被子植物の出現とその後の優占に寄与したことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る