Letter 脳:新皮質回路網における局所シナプス結合の機能的特異性 2011年5月5日 Nature 473, 7345 doi: 10.1038/nature09880 神経結合は脳の情報処理の基盤である。したがって、感覚情報処理の機構を理解するには、結合のパターンがどのように機能と関連しているかを明らかにする必要がある。大局的に見れば、長距離の投射は、感覚刺激に対して類似の応答をする皮質領域間を選択的に結んでいる。しかし局所的には、樹状突起と軸索はかなり重なり合っており、結合の機能的特異性は明らかにされていない。今回我々は、in vivoでマウス視覚皮質の錐体ニューロンの刺激応答特性をまず明らかにしたうえで、in vitroでその2/3層の近接するニューロン間の結合を調べた。相互結合が見られる確率と、視覚刺激によるニューロン活動の類似性には相関があることがわかった。すなわち、方位選択性が同じニューロン間には、方位選択性が90度異なるニューロン間に比較して、2倍の率で結合が見られた。自然な刺激に対して類似した応答を示すニューロン間には、相関性のない応答を示したニューロン間より、はるかに高率に結合が見られた。また、強く相関した視覚応答を示したニューロン対の間には、双方向的シナプス結合が高率で見られた。これらの結果から、視覚皮質における局所的シナプス結合の機能的特異性の程度が明らかになり、関連した感覚情報を処理するための微小スケールの局所回路網の存在を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る