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物理:光格子における反強磁性スピン鎖の量子シミュレーション

Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09994

量子力学系におけるエキゾチックな形の磁性の解明は、現代の凝縮系物理学の中心となる目標であり、高温超伝導体からスピントロニクスデバイスまでの幅広い系と関係する。量子相転移点の近傍における磁性材料のシミュレーションは、構成物質の磁気スピン間の量子エンタングルメントから極端な複雑性が生じるため、古典コンピューターの計算で扱うのは難しい。本研究では、光格子中に閉じ込めたルビジウム原子の縮退ボーズ粒子を使って、相互作用する量子イジングスピン鎖が相転移を起こしている状態をシミュレートした。サイト占有から擬スピンへのマッピングを通して、強いスピン相互作用が実現される。磁場を変化させると、量子ゆらぎによって常磁性相から反強磁性相への相転移が駆動される。常磁性相では、スピン間の相互作用よりも印加磁場の作用のほうが強くなり、これがスピンを整列させる。反強磁性相では、相互作用のほうが支配的になり、千鳥型配列の磁気秩序が発生する。サイト分解能in situ撮像と雑音相関測定の両方によって、磁気ドメイン形成が観察される。本研究は、光格子で量子磁性に至る道筋を実証し、極低温原子を使った磁気モデルのさらなる研究を容易にした。これによって、実際の磁性材料に関する解明が進むと考えられる。

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