Letter 細胞:TRIM5はレトロウイルス・キャプシドの格子に対する自然免疫センサーである 2011年4月21日 Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09976 TRIM5は、RINGドメインを持つE3ユビキチンリガーゼで、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)1などのレトロウイルスが標的細胞の細胞質へ侵入した直後に働いて、それらのウイルスによる感染を抑制する。抗ウイルス力はレトロウイルス粒子キャプシドの格子に対するTRIM5のアビディティーと相関する。また、TRIM5はシグナル伝達に役割を担うことを示す報告も複数あるが、感染抑制の詳しい機構は解明されていない。本論文では、TRIM5が自然免疫のシグナル伝達を促進し、この活性はレトロウイルスの感染やウイルス・キャプシドの格子との相互作用によって増幅されることを示す。TRIM5は、ヘテロ二量体であるユビキチン結合酵素UBC13–UEV1A(UBE2N–UBE2V1としても知られる)と共に機能して、遊離のK63結合型ユビキチン鎖合成を触媒し、このユビキチン鎖はTAK1(MAP3K7としても知られる)キナーゼ複合体を活性化し、AP-1およびNF-κBシグナル伝達を促進する。HIV-1キャプシドの格子との相互作用は、TRIM5のUBC13–UEV1A依存性E3活性を大幅に増強する。また、レトロウイルスを投与すると、AP-1およびNF-κB依存性因子の転写が誘導され、その誘導の規模は侵入キャプシドに対するTRIM5のアビディティーに一致する。また、TAK1およびUBC13–UEV1Aは、TRIM5によるキャプシド特異的な抑制にかかわっている。したがって、レトロウイルス感染抑制因子であるTRIM5は、抑制につながる2つの補助的な活性を備えている。つまり、自然免疫のシグナル伝達を構成的に促進し、またレトロウイルス・キャプシドの格子特異的なパターン認識受容体としても機能する。 Full Text PDF 目次へ戻る