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発生:エフリンB群はニューロンの移動を調節するリーリン経路の必須構成因子である

Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09874

発生中の脳や成体の脳におけるニューロンの協調的な移動は、正常な脳機能に必須である。分泌型の糖タンパク質リーリン(別名RELN)は、VLDLR(very-low-density lipoprotein receptor)とApoER2(apolipoprotein E receptor 2;別名LRP8)の2つのリポタンパク質受容体へ結合することにより、ニューロンの移動を誘導する。ヒトでのリーリン機能の欠失は、重篤な発生障害である脳回欠損を引き起こし、さらに、てんかんや統合失調症、アルツハイマー病などの他の神経疾患との関連も示されている。リーリンがその受容体を活性化し、細胞機能を制御する分子機構については、不明の点が多い。本研究では、神経誘導キュー分子であるエフリンBタンパク質群が、脳の層構造発生の際のリーリンシグナル伝達に必須であることを示す。また、エフリンB群はリーリンと遺伝学的に相互作用することもわかった。特に、マウスの複合変異体(Reln+/−; Efnb3−/−、あるいはReln+/−; Efnb2−/−)や、エフリンB1、B2、B3の三重ノックアウトマウスは、reelerマウスの新皮質、海馬、小脳で観察されるような、ニューロン移動の異常を示した。機構としては、エフリンB群の細胞外ドメインに、リーリンが結合することが示され、この細胞外ドメインはニューロンのVLDLRやApoER2と細胞膜で結合する。エフリンB群のクラスター化により、リーリンシグナル伝達に必須とされるDab1の誘導とリン酸化が起こる。逆に、エフリンB群の機能欠失は、リーリン誘導性のDab1リン酸化を著しく阻害する。重要なことに、エフリンBの活性化は、リーリンタンパク質が存在していなくともreelerニューロンの移動異常を救済する。以上の結果を総合すると、エフリンB群はリーリン受容体/シグナル経路の必須構成要素として働き、神経系の発生の際にニューロン移動を制御していることが明らかになる。

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