Letter 遺伝:全ゲノム解析により明らかになるマウス組み換えホットスポットの新たな分子特性 2011年4月21日 Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09869 減数分裂組み換えの大半は、組み換えホットスポットと呼ばれる個別の遺伝子座で起こるが、これらの領域をはっきり示す特徴はほとんどわかっていない。ホットスポットに関連したDNAとクロマチンの特徴の包括的解析を可能にするため、我々は組み換えを開始する減数分裂時のDNA二重鎖切断をマッピングする直接的な分子的手法を開発した。本論文では、マウスゲノムで、組み換え開始部位のゲノム全域にわたる分布を示す。ホットスポット中心はおよそ200ヌクレオチドの精度で位置が決定され、これにより組み換えが起こりやすい部位の微細構造の詳細の解析が可能となる。ホットスポットには中心に分布するコンセンサスモチーフがある。ホットスポットの中心でヌクレオチドの歪みが存在するために極性が変化しており、ホットスポットは内因的にヌクレオソームにより占有されやすくなっている。さらに、雄のマウスでは組み換え開始部位のきわめて多くで、精巣特異的なヒストンH3リジン4のトリメチル化が見られる。ただし、これは転写に関連したヒストンH3リジン4トリメチル化マークとは異なる。本論文で示した組み換え地図は、特定の遺伝的背景を持つ均一のマウス集団に由来するものであり、将来の広範な実験研究に適している。今回開発したマッピング技術は遺伝的マーカーの利用可能性に依存しないので、複雑なゲノムを持つほかの種に容易に適用できる。我々の結果は、哺乳動物の組み換えホットスポットの複数の根本的特徴を明らかにするとともに、遺伝子組み換え、ゲノム安定性や進化に関する将来の研究にこの新たな組み換え地図が有用であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る