IκBキナーゼ(inhibitor or κB kinase;IKK)はIκBタンパク質をリン酸化してその分解を引き起こし、遺伝子転写に働くNF-κBを遊離させる。今回我々は、阻害剤と複合体を形成したIKKβの3.6 Å分解能での結晶構造を報告する。この構造から、キナーゼドメインとユビキチン様ドメイン(ULD)、長く延びたαヘリックス骨格/二量体化ドメイン(SDD)という3つのモジュールによる構成が明らかになった。予測されていたロイシンジッパーとヘリックス–ループ–ヘリックスモチーフは意外なことに、このような構造を形成しておらず、SDDの一部となっている。ULDとSDDは、IκBαとの重要な相互作用を仲介しており、これが基質の特異性を制限している。また、ULDは触媒活性にも必要である。SDDはIKKβの二量体化にかかわっているが、二量体化自体はIKKβの活性維持には重要でなく、IKKβの活性化のほうに必要とされる。IKKファミリーの他のメンバーであるIKKα、TBK1とIKK-iも、同様の3つのモジュールから構成される構造と機能を持っている可能性がある。