Article 神経:カテコールアミン受容体の多型は線虫の行動決定に影響する 2011年4月21日 Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09821 生得的行動には柔軟性があり、一時的な環境条件に応じてすばやく変化し、ゲノムの変化によってゆっくりと変更される。柔軟な行動の古典的な例としては、探索–利用の決定が挙げられる。これは、採餌活動をしている動物が、枯渇しつつある食物供給源を見捨てるという選択をする時期を表している。我々はこれまで、線虫(Caenorhabditis elegans)を用いて定量的遺伝解析を行い、食物パッチから離れるという決定について調べてきた。本論文では、食物パッチからの離脱が多重遺伝子性形質であり、tyra-3(tyramine receptor 3)遺伝子の非コード領域に自然に生じた多型によってある程度調節されていることを明らかにする。tyra-3遺伝子は脊椎動物のアドレナリン受容体に似たGタンパク質共役型カテコールアミン受容体をコードしており、環境からの合図を感知する感覚ニューロンで働いていることから、tyra-3が感知した体内カテコールアミンが、外部条件に対する反応を調節していると考えられる。これらの結果は、遺伝的変動と環境からの合図が、共通の回路に収束して行動を調節していることを示しており、カテコールアミンは行動決定の調節に古くから役割を果たしてきたことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る