Article 医学:カスパーゼシグナル伝達はミクログリアの活性化と神経毒性を制御する 2011年4月21日 Nature 472, 7343 doi: 10.1038/nature09788 ミクログリア活性化と炎症が関与する神経毒性は、複数の神経変性疾患の発症機序に決定的な役割を持つことが示唆されている。活性化したミクログリアは、神経毒性を持つと考えられる炎症促進因子を分泌する。本論文では、アポトーシス性細胞死の実行分子として知られるカスパーゼ8とカスパーゼ3/7の順序だった活性化が、プロテインキナーゼC(PKC)-δ依存性の経路を介して、ミクログリア活性化を調節していることを示す。ミクログリアを種々の炎症誘発物質で刺激すると、in vitroでもin vivoでも、細胞死を起こすことなく、ミクログリアのカスパーゼ8とカスパーゼ3/7が活性化されることがわかった。これらのカスパーゼのいずれかを遺伝子ノックダウンまたは薬剤により阻害すると、ミクログリアの活性化が妨げられ、結果的に神経毒性が低下する。これらのカスパーゼは、パーキンソン病患者の中脳腹側部やアルツハイマー病患者の前頭皮質のミクログリアで活性化していることが観察された。総合すると、カスパーゼ8とカスパーゼ3/7は、ミクログリア活性化の調節に関与していることがわかる。結論として、ニューロンそのものではなく、ミクログリアを標的にしてこれらのカスパーゼを阻害すれば、神経保護が図れる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る