Volume 470 Number 7332

Editorials

地球に似た惑星探しが広がって次々に候補が見つかる前に、「似ている」ことの定義付けが必要だ。

p.5

doi: 10.1038/470005a

現在、多くの古い科学標本がおざなりになっているが、それらは重要な研究インフラであり、ドイツの取り組みは、その保存と活用に道を開くだろう。

Preserve the past p.5

doi: 10.1038/470005b

援助にまつわる不正行為に対する世界エイズ・結核・マラリア対策基金の対応は、透明、最善であり、高く評価すべきだ。

p.6

doi: 10.1038/470006a

News

人工多能性幹(iPS)細胞は、完全に胚の状態まで戻せない可能性が。

Flaw in induced-stem-cell model p.13

doi: 10.1038/470013a

アルマ望遠鏡の試作アンテナを台湾に提供するとの全米科学財団(NSF)の決定に波紋が。

p.14

doi: 10.1038/470014a

中国が「イノベーション2020」プロジェクトとして、エネルギー、情報工学、材料工学、生物医学などを重視し、研究成果の産業応用を推進。

p.15

doi: 10.1038/470015a

社会科学分野で、重要課題の優先順位付けの試みが。

Social science lines up its biggest challenges p.18

doi: 10.1038/470018a

News Features

天文学:星の向こうに

Beyond the stars p.24

太陽系外惑星探査機ケプラーが、期待以上の成果を挙げているが、地球型惑星の発見に近づいているのだろうか。

doi: 10.1038/470024a

天文学:太陽系外惑星探査がお求めやすく

p.27

いろいろ工夫した方法で、それほど巨額の費用を必要しない太陽系外惑星探査が進められている。

doi: 10.1038/470027a

News & Views

フォーラム:創薬:ライブラリー設計という問題

p.42

創薬における生物学的スクリーニングに使うための化合物ライブラリーの作製では、2つの方法が使われるようになっている。1つはフラグメントを使ったリガンドの設計、もう1つは多様性を指向する合成である。それぞれの方法の支持者にお気に入りの戦略を論じてもらった。

doi: 10.1038/470042a

植物科学:暁の防衛戦略

p.44

植物は病原に対して自身の免疫防御系を調節することがあるが、そのめざましい例が見つかった。この調節は、一日のうちで病原体による攻撃が最も起こりやすい時間に合わせて、免疫防御にかかわる遺伝子の発現を最大にすることによっている。

doi: 10.1038/470044a

宇宙物理学:ちっちゃな銀河に見つかった大きなブラックホール

p.45

常識的に考えれば、超大質量ブラックホールは星形成をあまり行っていない大質量銀河だけに見つかりそうだ。だが今回は、こういうブラックホールが、星形成を活発に行っている矮銀河で発見されたのである。

doi: 10.1038/470045a

分子生物学:DNA脆弱性の背景を考える

p.46

ゲノムの脆弱部位とは、DNA複製時に欠失などの変化が起こりやすい領域のことである。このような部位が損傷を受けやすい理由は、そこには複製部位が非常に少ないからという単純なものらしい。

doi: 10.1038/470046a

理論生態学:ゾウムシが難なくやってのける仕事に振り回される

p.47

水草のオオサンショウモ(Salvinia molesta)は、熱帯および温帯で水路に広く見られる雑草である。オーストラリアの三日月湖(ビラボン)で、ゾウムシの一種によるこの水草の防除についての研究が行われ、生態学的な時間系列解析に新しい標準ができた。

doi: 10.1038/470047a

地球温暖化:メタンとモンスーン

p.49

メタンの大気中濃度が、過去5,000年間にわたって上昇傾向にあることは、人類の活動に起因するとされてきた。だが、今回初めて可能になった「ある力」を含めたモデル研究によって、また別の原因が示された。

doi: 10.1038/470049a

考古学:アラビアを通った人々

p.50

人類のアフリカからの移動と拡散に、アラビア半島はどんな役割を果たしたのだろうか。アラブ首長国連邦にある考古学遺跡の1つで、アフリカからの人類の初期の移動を裏付ける、非常に興味の持てる証拠が新たに見つかった。

doi: 10.1038/470050a

Articles

宇宙:Kepler-11をトランジットする低質量低密度の惑星からなる密にまとまった系

A closely packed system of low-mass, low-density planets transiting Kepler-11 p.53

doi: 10.1038/nature09760

遺伝:集団規模のゲノム塩基配列解読によるコピー数多型のマッピング

Mapping copy number variation by population-scale genome sequencing p.59

doi: 10.1038/nature09708

Letters

宇宙:矮スターバースト銀河Henize 2-10内にある活発に成長中の大質量ブラックホール

An actively accreting massive black hole in the dwarf starburst galaxy Henize 2-10 p.66

doi: 10.1038/nature09724

量子情報科学:固体状態スピン集団におけるエンタングルメント

Entanglement in a solid-state spin ensemble p.69

doi: 10.1038/nature09696

構造生物学:フェムト秒X線タンパク質ナノ結晶学

Femtosecond X-ray protein nanocrystallography p.73

doi: 10.1038/nature09750

構造生物学:X線レーザーによりとらえられ撮像されたミミウイルス単粒子

Single mimivirus particles intercepted and imaged with an X-ray laser p.78

doi: 10.1038/nature09748

大気:軌道に制御された熱帯の発生源の増加によって生じた完新世後期のメタン上昇

Late Holocene methane rise caused by orbitally controlled increase in tropical sources p.82

doi: 10.1038/nature09739

生態:カカドゥ国立公園のオオサンショウモの予測不可能な生物学的防除は二者択一的安定状態によって説明できる

Alternative stable states explain unpredictable biological control of Salvinia molesta in Kakadu p.86

doi: 10.1038/nature09735

細胞:ゼブラフィッシュ成体で腎臓を再生できるネフロン前駆体の同定

Identification of adult nephron progenitors capable of kidney regeneration in zebrafish p.95

doi: 10.1038/nature09669

医学:可塑性を標的として病的神経活動を除去

Reversing pathological neural activity using targeted plasticity p.101

doi: 10.1038/nature09656

細胞:ヒト多能性幹細胞をin vitroで腸組織に分化させる

Directed differentiation of human pluripotent stem cells into intestinal tissue in vitro p.105

doi: 10.1038/nature09691

生理:概日リズムの中心的調節因子による、植物の免疫応答のタイミング調整

Timing of plant immune responses by a central circadian regulator p.110

doi: 10.1038/nature09766

医学:ヒトリンパ腫に見られる発がん活性を持つMYD88変異

Oncogenically active MYD88 mutations in human lymphoma p.115

doi: 10.1038/nature09671

細胞:染色体脆弱部位FRA3Bの脆弱性は細胞型特異的な複製開始プログラムによって決まる

Cell-type-specific replication initiation programs set fragility of the FRA3B fragile site p.120

doi: 10.1038/nature09745

細胞:MMSETはDNA損傷部位でのヒストンH4K20のメチル化と53BP1の蓄積を調節する

MMSET regulates histone H4K20 methylation and 53BP1 accumulation at DNA damage sites p.124

doi: 10.1038/nature09658

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