Letter 構造生物学:β1アドレナリン受容体に対するアゴニストと部分アゴニストの作用の構造的基盤 2011年1月13日 Nature 469, 7329 doi: 10.1038/nature09746 βアドレナリン受容体(βAR)はGタンパク質共役型受容体(GPCR)で、GPCRはアドレナリンやノルアドレナリンのようなカテコールアミンアゴニストであるリガンドの結合により細胞内側のGタンパク質を活性化する。βARを活性化、あるいは阻害する合成リガンドが開発され、これらはぜんそくや高血圧、心機能障害の治療に使われている。これらのリガンドは、天然リガンドが引き起こす細胞応答と似ているか、それに比べて応答が低いか、あるいは応答を阻害するかによって、それぞれ完全アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニストのいずれかに分類される。しかし、これらのリガンドの多様な効力の構造的基盤はわかっていない。今回我々は、シチメンチョウ(Meleagris gallopavo)の熱安定化されたβ1アドレナリン受容体(β1AR-m23)が、完全アゴニストであるカルモテロールやイソプレナリン、部分アゴニストのサルブタモールあるいはドブタミンと結合した4種の結晶の構造を示す。拮抗薬結合受容体と比較すると、どの場合にもアゴニストの結合によってカテコールアミン結合ポケットの1 Åの収縮が起こる。完全アゴニストでは、膜貫通へリックス5中の保存された2つのセリン残基(Ser5.42とSer5.46)と水素結合を形成できるが、部分アゴニストはSer5.42との間にだけ相互作用が生じている(上付き数字についてはBallesteros–Weinstein番号方式を参照)。これらの構造から、異なるリガンド分類間の薬理学的な違いが解明され、どのようにGPCRが機能するかが明らかになり、効力が予測可能な新規リガンドの構造に基づく設計のための、強固な基盤が与えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る