Letter

物性:SrTiO3表面における普遍的サブバンドをもつ二次元電子ガス

Nature 469, 7329 doi: 10.1038/nature09720

シリコンが従来型エレクトロニクスの基盤であるように、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)は酸化物エレクトロニクスという新分野の基盤である。SrTiO3は、金属–絶縁体転移や超伝導、負の巨大磁気抵抗が生じる酸化物界面にエキゾチックな二次元(2D)電子物質相を形成するための望ましいテンプレートである。しかし、これらの2D電子ガス(2DEG)の基礎となる電子構造の物理的特性は2DEGの卓越した特性の理解に不可欠だが、まだ明らかにされていない。今回我々は、角度分解光電子分光法を使って、真空中でへき開したSrTiO3(非ドープ絶縁材料も含む)の表面に、7ディケード以上にわたるバルクキャリア密度と関係なく、非常に金属的な普遍的2DEGが存在することを示す。この2DEGは約5単位胞の領域に閉じ込められており、格子パラメーターの二乗当たり電子が約0.33個というシートキャリア密度をもつ。電子構造は、重い電子と軽い電子の複数のサブバンドからなる。SrTiO3系ヘテロ構造や電界効果トランジスターについて報告された2DEGとこの2DEGは類似しており、このことは、SrTiO3表面での異なる形態の電子閉じ込めが、本質的に同じ2DEGにつながることを示唆している。我々の発見は、SrTiO3系デバイス中の2DEGの電子構造の研究に使えるモデル系をもたらし、遷移金属酸化物表面に2DEGを形成する新しい方法となる。

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