Letter 生理:静水圧と表層アクトミオシンが有糸分裂細胞の球形化の原動力となる 2011年1月13日 Nature 469, 7329 doi: 10.1038/nature09642 有糸分裂の際に接着動物細胞の形は、本来の扁平な形から球形へと大きく変化する。有糸分裂細胞の球形化は細胞内部を組織化しやすくし、細胞分裂に必要な形態的条件と考えられている。しかし、この形態変化を引き起こす原動力は、組織環境といった外部からの妨害要因があるために、ほとんど解明されていない。今回我々は、カンチレバーを用いて細胞を球形化する力と細胞の体積を追跡・測定し、細胞には外向きに働く球形化を進める力(球形化力)が存在し、細胞が有糸分裂に入るとともにその力が増加することを明らかにする。この有糸分裂時の球形化力は、アクトミオシン細胞骨格と細胞のオスモル濃度調節能の両方によって決まる。球形化力自体は浸透圧によって生じる。しかし、この球形化力を外部妨害要因に対抗して維持するには、表層アクトミオシンが必要である。瞬間的に表層アクトミオシンを破壊すると体積が増加し、アクトミオシン収縮を刺激すると体積が減少する。これらの結果は、細胞では浸透圧と表層アクトミオシンの内向きの収縮とが釣り合っていることを示している。したがって、表層アクトミオシンに依存した表面張力を局所的に変化させ、浸透圧を全体的に調節することによって、細胞は体積や形態、機械的特性を制御できる。 Full Text PDF 目次へ戻る