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システム生物学:遺伝的にコードされたNORゲートと化学的「配線」とを用いた、多細胞によるロバストな計算回路

Nature 469, 7329 doi: 10.1038/nature09565

例えば発生の際、あるいはバイオフィルム中での細菌の空間的結合形成の際には細胞の高次構造への組織化が起こるが、その基盤となるのが計算である。それぞれの細胞が行う計算作業は単純だが、細胞間コミュニケーションと組み合わさると、複雑なパターンが生じる。今回我々は、1個の単純な遺伝子回路とクオラムセンシング(菌体密度感知機構)とを組み合わせることによってこの過程を研究し、空間内でのより複雑な計算系を実現した。作製したのは大腸菌での単純なNOR論理ゲートで、2個のプロモーターを縦列に配置し、これが1個のリプレッサーの転写を引き起こす入力として機能する。このリプレッサーは、出力として働く1個のプロモーターを不活性化する。大腸菌の個々のコロニーは同一のNORゲートをもつが、入力と出力は、交差する異なったクオラムセンシング「発信」デバイスと「受信」デバイスに接続されており、クオラム分子がゲート間を結ぶ配線となっている。このコロニーを異なった空間配置に並べることによって、難しいXOR機能やEQUALS機能をもつものを含め、考えうるすべての2入力ゲートが作製できる。その反応は強くロバストで、「オン」と「オフ」の状態間の変化は5〜300倍以上にもなる。この研究は、単純な論理を活用して細胞間コミュニケーションのつなぎ替えにより多様で複雑な計算を実現するという設計原理の解明に役立つ。

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