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医学:COTはMAPキナーゼ経路の再活性化を介してRAF阻害に対する耐性を出現させる

Nature 468, 7326 doi: 10.1038/nature09627

セリン/トレオニンキナーゼであるB-RAF(別名BRAF)の発がん性変異は、悪性黒色腫の50〜70%にみられる。前臨床試験から、B-RAF(V600E)変異が、黒色腫のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達カスケード依存性の予測因子であることが示されており、この報告は、臨床試験でのRAFおよびMEKの阻害剤が成功をおさめたことで実証されている。しかし、分子標的薬による抗がん治療は、de novoあるいは耐性獲得によって失敗することが多い。耐性出現機構を明らかにして、「薬物療法に使える」別の標的が見つかれば、有効な長期治療戦略についての情報が得られるかもしれない。本論文では、約600個のキナーゼおよびキナーゼ関連読み枠(ORF)を並行して発現させて、選択的RAFキナーゼ阻害剤に対する耐性を調べた。MAP3K8(COT/Tpl2をコードする遺伝子)が、B-RAF(V600E)細胞株でRAF抑制に対する耐性を出現させるMAPK経路アゴニストであることが明らかになった。COTは主に、RAFシグナル伝達を必要としないMEK依存的な機構を介して、ERKを活性化する。また、COTの発現は、培養B-RAF(V600E)細胞株でのde novo耐性の出現や、MEKあるいはRAFの阻害剤で治療後に再発した患者から得られた黒色腫の細胞や組織における後天性の耐性に関連している。さらに、このような場合には、複数のやり方を組み合わせたMAPK経路の阻害、あるいはCOTキナーゼ活性を標的とすることが、MAPK経路活性化を抑えるために可能な治療戦略であることを示す。これらの結果を総合すると、MAPK経路の関与する耐性出現機構についての新しい手がかりが得られ、新規治療戦略開発につながる可能性があるハイスループットな機能スクリーニングによる統合的手法が明らかになる。

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