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医学:黒色腫はRTKまたはN-RASの発現量増加によってB-RAF(V600E)阻害への耐性を獲得する

Nature 468, 7326 doi: 10.1038/nature09626

B-RAF(V600E)(BRAFとしても知られる)キナーゼの活性化変異は、ヒトの悪性腫瘍の約7%に、そして黒色腫ではその60%に生じている。B-RAF(V600E)陽性黒色腫患者に対する、新規クラスI RAF選択的阻害剤PLX4032の臨床使用の早期結果は、これまでにない80%という抗腫瘍効果が実証されたが、初期の奏効後にしばしば薬剤耐性の獲得が認められた。B-RAF阻害への耐性獲得機序に対する仮説としては、B-RAF(V600E)の二次変異、MAPKの再活性化、代替的生存経路の活性化が挙げられている。今回我々は、PLX4032に対する耐性獲得は、B-RAF(V600E)の二次変異によってではなく、相互排除的なPDGFRβ(PDGFRBとしても知られる)の発現量増加またはN-RAS(NRASとしても知られる)の変異によって生じることを示す。我々は、B-RAF(V600E)陽性黒色腫細胞株から人工的に作製したPLX4032抵抗性亜系統株を用い、PLX4032抵抗性腫瘍および臨床試験参加患者から得た腫瘍とマッチする短期培養細胞で重要な知見を検証した。黒色腫亜細胞系統、患者由来の生検組織および短期培養細胞のサブセットで、PDGFRβ RNA、タンパク質およびチロシンリン酸化の誘導がPLX4032への耐性獲得の主要な特徴であることが認められた。PDGFRβの発現増加を認める腫瘍細胞では、活性化型RASは少なく、PLX4032で処理してもMAPK経路の顕著な再活性化は起こらない。別のサブセットでは、突然変異により活性化N-RASのレベルが高く、PLX4032処理でMAPK経路の著しい再活性化が引き起こされた。PDGFRβまたはN-RASのノックダウンでは、それぞれのPLX4032抵抗性サブセットの増殖が抑制された。PDGFRβまたはN-RAS(Q61K)の過剰発現により、PLX4032に感受性を示す親細胞株はPLX4032への耐性を獲得した。重要な点は、MAPKの再活性化によりMEK阻害剤に対する感受性が予測されることである。したがって、黒色腫でB-RAF(V600E)が標的にされないようになるのは、B-RAF(V600E)の二次的変異によってではなく、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を介した代替的生存経路の活性化、または活性化RASを介したMAPK経路の再活性化によるものであり、このことから新たな治療戦略が示唆される。

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