Letter 細胞:1分子画像法を使って明らかにされたDNAトランスロカーゼによるタンパク質破壊機構 2010年12月16日 Nature 468, 7326 doi: 10.1038/nature09561 生理的な条件下で核酸トランスロカーゼが作用しなければならないのは、ほかのタンパク質が結合している基質に対してである。また、トランスロカーゼの役割としてしだいに重要視されているのが、RNAやDNAからのタンパク質除去を触媒する作用である。しかし、必然的に起こる衝突についてはほとんど知られておらず、タンパク質障害物がどうなるのか、またそれをDNAから除去する仕組みは解明されていない。今回我々は、RecBCDをモデル系として用いて、DNAからのタンパク質除去の基本機構を探った。ナノファブリケーション技術によって作製したDNAカーテンとマルチカラー1分子顕微鏡法を使って、DNAに結合した種々のタンパク質とモデルトランスロカーゼとの衝突をリアルタイムで画像化した。DNAトランスロカーゼRecBCDは、RNAポリメラーゼのコア酵素、ホロ酵素、停止した伸長複合体、転写中のRNAポリメラーゼを、頭部–頭部、頭部–尾部どちらの方向にある場合にも破壊できること、またEcoRIE111Qやlacリプレッサー、さらにヌクレオソームまで破壊できることを示す。RecBCDは衝突の際にも止まらず、タンパク質をDNAから取り除く前に数千塩基対の距離をそれを押して動くことも多かった。RecBCDは、特異的なタンパク質間相互作用を必要とせずに化学機械力を直接変換することによって障害物を除去する。タンパク質障害物は、押されて非特異的な部位から部位へと移動する間に遷移状態中間体となり、そこに能動的な破壊機構が作用してDNAから除去されると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る