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進化:遺伝子発現の分岐は発生の「砂時計モデル」とよく一致する

Nature 468, 7325 doi: 10.1038/nature09634

胚のファイロティピック期(各動物門内の種間で類似性が最も高くなる時期)には動物の形態が保存されている傾向があるという観察結果から、胚形成の分岐の程度は中期よりも初期と後期のほうが大きいとする、「砂時計モデル」として知られる説が提唱されている。こうした保存のパターンは、動物のボディープランの進化に対する強い拘束を反映したものだと考えられている。同一門に属する種の初期胚および後期胚に顕著な分岐が頻繁に認められることを示した形態学的データは多いが、さまざまな動物形態の精緻な構築に中心的な役割を担っている遺伝子発現の進化が、形態でみられる砂時計パターンをどの程度裏付けられるかは明らかになっていなかった。今回我々は、最高4,000万年前に分かれた塩基配列解読済みのショウジョウバエ属(Drosophila)6種から設計された種特異的なマイクロアレイを用いて、この問題に取り組んだ。胚形成のさまざまな時点で分岐度を定量したところ、発現はこの節足動物のファイロティピック期に最も保存されていることがわかった。さまざまな進化モデルを各遺伝子に当てはめることにより、各時点で80%を超える遺伝子が、安定化選択を組み込んだモデルに最もよく当てはまることが示され、進化的に最適な発現レベルが全種を通じて等しい遺伝子では、選択的拘束がファイロティピック期に最も強くなることが明らかになった。砂時計パターンに最も当てはまる遺伝子は、重要な発生過程に関与している。今回の結果は、自然選択が胚形成中期の遺伝子発現パターンを保存するように働いていることを示しており、発生的進化の砂時計パターンの分子基盤に関するゲノム規模での手がかりとなる。

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