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進化:系統発生に基づくトランスクリプトームの進化的年代指標は個体発生の分岐パターンを反映している

Nature 468, 7325 doi: 10.1038/nature09632

系統発生と個体発生との相似に関しては約200年にわたって議論が続いており、そうしたパターンを説明するために多くの理論が提唱されてきた。特に説明が困難なのがファイロティピック段階で、これは同じ門に属する種どうしで顕著な類似性がみられる発生段階のことである。かつては、これは系統発生を繰り返しているのだと解釈されていたが、現在では、個体発生の進行において発生調節および遺伝子相互作用に対する強力な拘束が存在する段階を反映していると考えられている。複数の研究により、この段階に発現する遺伝子の進化は低速であることが明らかになっているが、この段階と関連する明確な分子的特徴を得ることは今までできずにいた。今回我々は、系統発生層序学と段階特異的な遺伝子発現データを組み合わせて使い、任意の個体発生段階でのトランスクリプトームの進化的年代の新旧を表す累積的指標を得た。ゼブラフィッシュの個体発生および成体発育をモデルとして用いて、ファイロティピック段階では実際に最も古くからあるトランスクリプトーム・セットが発現しており、発生の初期および後期にはより新しいセットが発現していて、形態的分岐の「砂時計モデル」とよく一致していることが示された。繁殖活動期の個体では最も新しいトランスクリプトームがみられ、雌雄間に大きな差が認められた。注目すべきは、高齢の個体ではしだいに古い遺伝子を発現するようになることであった。ハエ類および線虫類から得られた類似のデータセットとの比較から、このパターンが門を越えてみられることが明らかになった。今回の結果は、1つの古くからあるトランスクリプトームがファイロティピック段階の特徴であり、ほかの個体発生段階の系統発生的な差異は新たに進化した遺伝子の発現と相関していることを示している。

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