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細胞:神経膠芽腫の幹細胞様細胞は腫瘍内皮を生じる

Nature 468, 7325 doi: 10.1038/nature09624

神経膠芽腫(GBM)は、最も悪性度の高いヒトのがんの1つである。GBMの主要な特徴は、糸球体様構造と内皮細胞過形成によって特徴付けられる異常血管の広範なネットワークである。しかし、血管新生の機序および腫瘍内皮細胞の起源についての理解は進んでいない。今回我々は、神経膠芽腫内皮細胞の亜集団は、EGFRや第7染色体の増幅など、腫瘍細胞内にみられるものと同じ体細胞突然変異を有することを明らかにする。さらに、幹細胞様CD133+分画には、血管内皮カドヘリン(CD144)を発現する細胞が含まれ、これらの細胞は、内皮細胞へ成熟が可能な血管内皮前駆細胞の特性をもつことを示す。また、単細胞クローンの解析をはじめとするin vitroおよびin vivoでの大規模な系譜解析から、CD133+幹細胞様細胞分画の亜集団は多分化能性で、おそらく中間体のCD133+/CD144+前駆細胞を経て、腫瘍および内皮細胞系譜に沿って分化することが示される。この発見の裏付けとなったのは、がんゲノムアトラスから選択した特定のエキソンの遺伝的解析、定量的FISH法および比較ゲノムハイブリダイゼーションデータで、これらによって、CD133+腫瘍細胞、その血管内皮前駆細胞誘導体および成熟内皮が同一のゲノムプロファイルを示すことが明らかになった。臨床で使用されている抗血管新生剤ベバシズマブまたはγ-セクレターゼ阻害剤への曝露、そしてshRNAによるノックダウン実験により、VEGFの遮断またはVEGFR2のサイレンシングは、腫瘍血管内皮前駆細胞の内皮への成熟を阻害するが、CD133+細胞の血管内皮前駆細胞への分化は阻害せず、一方、γ-セクレターゼの阻害またはNOTCH1のサイレンシングは、血管内皮前駆細胞への移行を阻害することが示される。今回の結果は、現在使用されている抗血管新生作用阻害剤が無効となる機序についての新たな見方をもたらすものとなろう。神経膠芽腫中のがん幹細胞と推定される細胞が系譜可塑性および腫瘍血管形成能を有するという今回の知見は、神経膠腫の生物学的性質、並びにがんの幹細胞性の定義、そして腫瘍の血管新生機構についての新たな手がかりとなる。

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