TET2は、DNAで5-メチルシトシン(5mC)を5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)に変換する酵素の1つであるTET1と近縁関係にある。TET2をコードする遺伝子は染色体4q24にあり、さまざまな骨髄性悪性腫瘍患者で頻繁にミクロ欠失およびCN-LOH(copy-neutral loss of heterozygosity)がみられる領域内に位置する。体細胞TET2の変異は、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、MDS/MPN重複症候群(骨髄単球性白血病(CMML)、急性骨髄性白血病(AML)および二次性AML(sAML)などを含む)でよく観察される。本論文では、骨髄性悪性腫瘍に伴うTET2変異が触媒活性を低下させることを示す。TET2変異をもつ患者の骨髄サンプルは、健常対照群由来の骨髄サンプルと比較してゲノムDNAにおける5hmCが一様に低値を示す。さらに、マウスの培養造血前駆細胞で、低分子ヘアピンRNA(shRNA)によってTet2を欠失させると、分化の方向が単球/マクロファージ系統に偏る。骨髄サンプルにおけるDNAメチル化では健常対照群と高5hmC患者由来の間で大きな差はないが、低5hmC患者由来のサンプルでは、メチル化の程度が異なるCpG部位の大半で対照群よりもメチル化が少なかった。我々の結果は、Tet2が正常な骨髄造血にとって重要であることを明らかにし、さらに、TET2酵素活性が阻害されると骨髄腫瘍形成が起こりやすくなることを示唆する。骨髄性悪性腫瘍での5hmC値の測定は、治療を個別化し、抗がん剤の効果を評価する、診断および予後予測の手段として役立つかもしれない。