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細胞:神経膠芽腫幹細胞様細胞の内皮への分化を介した腫瘍血管新生

Nature 468, 7325 doi: 10.1038/nature09557

神経膠芽腫は高度に血管新生が起こる悪性腫瘍で、その新生血管は既存の脳毛細血管の出芽から生じると考えられている。神経膠芽腫を維持しているのは神経膠芽腫幹細胞様細胞(GSC)の一集団であることが最近明らかにされ、これらの細胞の子孫細胞は神経細胞系列に限定されない可能性が示されている。正常な神経幹細胞は機能する内皮細胞に分化可能である。神経幹細胞と内皮区画の関連は神経膠芽腫において重要と考えられており、神経膠芽腫でがん幹細胞は、血管内皮増殖因子(VEGF)およびstromal-derived factor 1の放出を介して血管ニッチと密接に相互作用し、血管新生を促進する。本論文では、神経膠芽腫に含まれるさまざまな数(20〜90%の範囲、平均60.7%)の内皮細胞には腫瘍細胞と同様のゲノム変化がみられることを明らかにする。このことから、その血管内皮のかなりの割合が腫瘍由来であることが示される。この血管内皮に含まれる腫瘍形成性細胞は、免疫不全マウスで血管形成領域によく似た領域を含む、非常に血管が豊富な未分化腫瘍を形成した。GSCのin vitro培養系に内皮細胞への分化条件を与えると、内皮細胞の表現型および機能の特徴をもつ子孫細胞が生じた。同様に、GSCを免疫不全マウスの同所あるいは皮下に注入すると、異種移植腫瘍が生じ、その血管は主にヒトの内皮細胞で構成されていた。マウスの異種移植片でGSCから生じた内皮細胞を選択的に標的とすると、腫瘍の退縮が引き起こされたことから、GSC由来内皮細胞による血管の機能的な意義が示される。これらの知見から、腫瘍血管形成の新しい機構が示され、また、いくつかの悪性腫瘍にがん由来内皮様細胞が含まれる理由が説明できるかもしれない。

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