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地球:Zn/Fe体系を用いた島弧マントルの酸化還元状態

Nature 468, 7324 doi: 10.1038/nature09617

島弧の溶岩の多くは中央海嶺玄武岩より酸化が進んでおり、沈み込みによって酸化された成分がマントルへと運ばれている。その結果として、島弧下のマントルウェッジは酸化されていると広く考えられている。しかし、Feの島弧下マントルにおける酸化状態は直接決定が困難で、この酸化状態がマントル生成源に固有のものであるかどうかについては論争が続いている。本論文では、Zn/FeT(FeT = Fe2+ + Fe3+)は酸化還元状態の影響を受けやすく、初期の島弧玄武岩とそのマントル生成源におけるFeの原子価状態の記録を保持していることを示す。マントルのカンラン岩が融解する際に、Fe2+とZnは同じように振る舞うが、Fe3+はFe2+よりも不適合性が高いために、酸化環境で生成されたメルトはZn/FeTが低い。初期島弧マグマのZn/FeTは中央海嶺玄武岩と同一であり、島弧と海嶺の初期マントル・メルトのFe酸化状態が似ていることを示唆している。カンラン石を伴う初期分化の際にZn/FeTが一定であるためには、マグマのFe3+/FeTが低いままである必要がある。段階的に分化が進んで初めてFe3+/FeTが増加し、分化相として磁鉄鉱が安定化する。これらの結果は、酸化した地殻物質の沈み込みによってマントルウェッジの酸化還元状態は大きく変化しない可能性を示している。したがって、島弧溶岩の酸化状態が高いことは、浅部における分化過程がその一因であると考えられるが、そのような過程はまだ十分に解明されていない。

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