Letter

神経:ショウジョウバエでみられる感覚入力から下降性出力への性的二形フェロモン回路

Nature 468, 7324 doi: 10.1038/nature09554

ショウジョウバエ(Drosophila)が示す生得的な嗅覚応答行動は、以前に学習や経験をしていない個体でみられるため、この行動を担う神経回路は、遺伝的にプログラムされていることが示唆される。ハエの神経系は数的には単純であるにもかかわらず、ショウジョウバエ脳の解剖学的構成の特徴のために、これらの回路の描写は多くの場合、困難である。本研究では、性的二形性行動を誘発するフェロモンであるcVAに応答する神経回路を同定する。改良した光活性化型緑色蛍光タンパク質(PA-GFP)を用いた神経回路トレーシングと、電気生理学、光学的画像化、およびレーザーによる微小損傷形成を組み合わせて用い、触覚の感覚ニューロンの活性化から腹側神経索の下降性ニューロンの興奮まで、この回路をマッピングした。この回路は単純で、わずか4つのニューロンから構成され、3つのシナプスで連結されていた。ニューロンのうちの3つは明らかに二形性で、複数の感覚系からの入力を統合し腹側神経索への出力を送る、雄特異的な神経網であることが認められた。この神経経路は、単一のフェロモンが雌雄で異なる行動を引き起こす仕組みを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度