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構造生物学:アルファウイルスの融合中に起こるエンベロープタンパク質の構造変化

Nature 468, 7324 doi: 10.1038/nature09546

アルファウイルスは、エンベロープをもつRNAウイルスで直径は約700 Åであり、致死性となることがあるヒト病原体である。宿主細胞へのエンドサイトーシスによるウイルス侵入は、2つのエンベロープ糖タンパク質E1とE2により制御されている。E2–E1ヘテロ二量体は、二十面体であるウイルス表面上に80個の三量体スパイクを形成していて、そのうちの60個は準三回対称性をもち、20個はT = 4準対称に配置した二十面体三回軸上にある。糖タンパク質であるE1は、一端に疎水性の融合ループをもち、膜融合にかかわっている。E2タンパク質は受容体結合にかかわっていて、中性pHで融合ループを保護している。エンドソーム中のより低いpHにより、ビリオンは不可逆的なコンホメーション変化を起こし、E2とE1が解離してE1はホモ三量体を形成する。これによりウイルス膜とエンドソーム膜との融合が引き起こされ、次いでウイルスゲノムが細胞質へ放出される。今回我々は、低pHで結晶化されたアルファウイルスのスパイクの構造を報告する。この構造は融合過程の中間体に当たり、成熟過程を明らかにしている。結晶構造中のE2–E1が作る三量体は、E2の中間領域が構造を形成していなくて融合ループが露出されていることを除けば、中性pHでのウイルスのスパイクに似ている。E2のアミノ末端とカルボキシル末端ドメインはそれぞれ免疫グロブリン様フォールドを形成しており、これはE2の受容体付着能と一致する特徴である。

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