Letter 神経:ドーパミン作動性ニューロンでのペースメーキングにより惹起される酸化ストレスはDJ-1で軽減される 2010年12月2日 Nature 468, 7324 doi: 10.1038/nature09536 パーキンソン病は、加齢に関連した広くみられる神経変性疾患であり、その主要な運動症状はニューロンの小集団(黒質緻密層[SNc]ドーパミン作動性ニューロン)の減少によるものである。ミトコンドリアの酸化ストレスがこの減少の原因であると一般に考えられているが、なぜこれらの特定のニューロンがストレスにさらされるのかは不明である。今回我々は、ミトコンドリア基質を標的とするように導入された緑色蛍光タンパク質の酸化還元感受性変異体を発現する遺伝子改変マウスを用いて、正常の自律的ペースメーキング中の細胞膜L型カルシウムチャネルの働きが、脆弱なSNcドーパミン作動性ニューロンに特異的な酸化ストレスを誘発することを示す。酸化ストレスは、一過性で軽度のミトコンドリアの脱分極、すなわち脱共役をもたらす生体防御に関与する。軽度の脱共役はPTP(permeability transition pore)の構成成分であるサイクロフィリンDの欠失には影響を受けないが、クローン化された脱共役タンパク質のアンタゴニストであるゲニピンやプリンヌクレオチドによって軽減された。早期発症型パーキンソン病に関係する遺伝子DJ-1(ヒトでの別名はPARK7、マウスではPark7)をノックアウトすると、SNcドーパミン作動性ニューロン特異的に2つの脱共役タンパク質(UCP4[SLC25A27]とUCP5[SLC25A14])の発現が低下し、カルシウム誘発性脱共役が阻害され、基質タンパク質の酸化が増大した。ヒトでの使用が認可されている薬物によりL型カルシウムチャネルを介するカルシウム流入に拮抗することができるため、以上の結果は、特発型および家族型パーキンソン病の両方に対する新規の神経保護戦略を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る