Article 構造生物学:アクチン調節WAVE複合体の構造と制御 2010年11月25日 Nature 468, 7323 doi: 10.1038/nature09623 ウィスコット・アルドリッチ症候群タンパク質(Wiskott–Aldrich syndrome protein;WASP)ファミリーのメンバーは、Arp2/3複合体と共にアクチン繊維の核形成を促進することで、細胞骨格の動態を制御している。WASPと同類のWAVEは、400 kDaのヘテロ五量体であるWAVE調節複合体(WAVE regulatory complex;WRC)中にあって、葉状仮足形成を調節している。WRCはArp2/3複合体に対して不活性だが、Rac GTPアーゼやキナーゼ類、ホスファチジルイノシトール類により活性化される。今回我々は、WRCの2.3 Åでの結晶構造と、それを補足する反応機構解析について報告する。構造から、WAVEの活性を担うVCAモチーフが、WRC中の分子内と分子間接触の組み合わせにより隔離されていることが示される。Racおよびキナーゼ類は、VCAの隔離に必要なWRC要素を不安定化させるらしく、これは、このようなシグナルがArp2/3複合体に対するWRCの活性を誘導する仕組みを示唆している。Rac結合部位とWRCの大きな塩基性表面が空間的に近い位置を占めていることから、GTPアーゼとリン脂質が協同的に働いてWRC複合体を膜へ動員する仕組みが考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る