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細胞:インテグリンを基盤にした細胞接着のナノスケール構造

Nature 468, 7323 doi: 10.1038/nature09621

形態形成、免疫、創傷治癒には、細胞外マトリックス(ECM)への細胞接着が不可欠である。接着斑(focal adhesion)は、細胞–ECM接着、力の伝達、細胞骨格の調節、シグナル伝達などにかかわる多機能細胞小器官である。接着斑は、細胞膜を貫通するインテグリンと細胞質タンパク質が作る複雑なネットワークからなり、200 nm未満のプラークを作ってECMとアクチン細胞骨格とを結びつけている。接着斑の組成と動態の複雑さは、これが精密な分子機械であることを示唆しているが、その分子構造は解明されていない。今回我々は、三次元超解像蛍光顕微鏡法(干渉型光活性化局在性化顕微鏡;interferometric photoactivated localization microscopy)を用いて、接着斑の構成タンパク質の配置をナノスケールで調べた。その結果、タンパク質特異的な複数の層構造からなるほぼ40 nmの接着斑コア領域によって、インテグリンとアクチンが垂直方向に隔てられていることがわかった。この層構造は、インテグリンの細胞質側尾部、接着斑キナーゼ、パキシリンが含まれ、細胞膜に並行した状態のインテグリンシグナル伝達層、タリンとビンキュリンを含む中間の力変換層、ザイキシン、血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質、α-アクチニンを含む最上部のアクチン調節層からなっている。アミノ末端およびカルボキシ末端を標識したタリンの位置を特定することにより、タリンの方向に極性があることがわかり、タリンが接着斑の層構造の組織化に役割を果たしていることが示された。タンパク質からなる薄膜が層状に重なったこの複合構造は、接着斑の機能を分子レベルで理解する基盤となる。

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