Letter 脳:周皮細胞は血液脳関門を調節している 2010年11月25日 Nature 468, 7323 doi: 10.1038/nature09522 血液脳関門(BBB)は、特定の物理的障壁、酵素および輸送体から構成され、これらが一体となって中枢神経系(CNS)に必要な細胞外環境を維持する。主要な物理的障壁はCNSの内皮細胞に認められるものであり、連続した密着結合複合体と小胞輸送の減少との組み合わせに依存している。BBBを構成している可能性があるそのほかの成分には、細胞外マトリックス、アストロサイトおよび周皮細胞などがあるが、これらの異なる成分がBBBに果たす相対的な寄与については、ほとんど明らかにされていない。今回我々は、in vivoで周皮細胞がBBBで直接的に働くことを示す。また、周皮細胞を欠損しながらも生存可能な複数種の変異型成体マウスを用い、周皮細胞の欠損により、水分や広い範囲にわたる低分子量および高分子量トレーサーに対するBBBの透過性が亢進することを示す。透過性の亢進は、内皮のトランスサイトーシスによって生じるが、この過程はイマチニブという薬物によって急速に阻害される。さらに、周皮細胞がBBBで少なくとも2つのやり方で機能することを示す。すなわち、内皮細胞でのBBB特異的な遺伝子発現パターンの制御と、CNSの血管を取り囲むアストロサイト終足の極性化の誘導である。今回の結果は、神経血管単位での内皮およびアストロサイトの機能の統合およびBBBの調節における、周皮細胞の極めて重要な新しい役割を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る