Letter 発生:周皮細胞は胚発生中の血液脳関門の機能的完全性に必要とされる 2010年11月25日 Nature 468, 7323 doi: 10.1038/nature09513 中枢神経系(CNS)の血管内皮細胞によって形成される障壁は、血液と脳の間の分子やイオンの移動を制限している。この血液脳関門(BBB)は、正常な神経機能を確保し、損傷や疾患からCNSを保護するために極めて重要である。移植実験により、BBBは内皮細胞にもともと備わっていたものではなく、神経細胞との相互作用によって誘導されることが示されている。アストロサイトと内皮細胞は空間的に近い関係にあるため、アストロサイトが生後にこの重要な障壁を誘導すると考えられてきたが、BBBの形成時期については意見が分かれている。本研究では、胚発生期のアストロサイトが作られる1週間以上前に、内皮細胞がCNSに侵入し、周皮細胞が発生中の血管に導入される際、関門が形成されることを示す。周皮細胞の発生に異常を示すPdgfrbヌルあるいは機能低下型(ハイポモルフ)マウスを用いた解析により、周皮細胞がBBBの形成に必須であり、絶対的な周皮細胞被覆率が、血管の相対的な浸透性を決定することがわかった。また、CNS内皮細胞における密着結合形成や小胞輸送をはじめとしたBBBの機能的特徴は、周皮細胞により調節されることも示す。周皮細胞は、CNS内皮細胞でのBBB特異的な遺伝子発現を誘導しないが、血管の浸透性やCNS免疫細胞浸潤を増加させる分子の発現を抑制する。これらの結果は、周皮細胞と内皮細胞の相互作用が発生におけるBBBの調節に極めて重要であることを示しており、これらの相互作用が阻害されると、CNS損傷や疾患の際のBBBの機能障害や神経炎症につながる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る