Letter 生態:生物多様性実験でみられる、植物多様性が多栄養段階の相互作用に及ぼすボトムアップ型の影響 2010年11月25日 Nature 468, 7323 doi: 10.1038/nature09492 生物多様性は急速に衰退しつつあり、これは経済的に重要な生態系サービスなどの生態系過程に悪い影響を及ぼしている可能性がある。以前の研究では、生物多様性が全栄養段階で生物および過程に有益な影響を与えていることが示されている。しかし、食物網の明確な全体像を組み込んだ研究は、これまでのところわずかしかない。我々は、8年間にわたる生物多様性実験により、非常に広い範囲の地上および地下生物、また多栄養段階の相互作用に関する研究を行った。1件の長期的実験で得られる多栄養段階のデータセットは、別々の実験のメタ解析では得られない機構的考察を可能にする。本論文では、植物の多様性の影響が、栄養段階および雑食性の程度が高いほど減衰することを示す。これは、生物の数度にも種の豊富さにも当てはまった。さらに、包括的な地上/地下の生物多様性食物網も示す。地上でも地下でも、草食動物は、植物多様性の変化に対して肉食動物や雑食動物よりも強く反応した。肉食動物分類群の密度および豊富さは、植生構造と無関係であった。植物多様性に対する地下の反応は、地上の反応よりも常に弱かった。植物多様性の増大に対する反応は概して有益なものであったが、生物の侵入、病原体の蔓延、および高次寄生の面では有害であった。今回の結果は、植物多様性が多栄養段階の相互作用ネットワークに対してボトムアップ型の強力な影響を及ぼしてきており、特に低次の栄養段階でその影響が強いことを示唆している。高次の栄養段階に対する影響は、ボトムアップ型の栄養カスケードを介して間接的に伝えられている。 Full Text PDF 目次へ戻る