Letter

地球:2010年エイヤフィヤトラヨークトル火山の爆発的噴火の引き金となった貫入

Nature 468, 7322 doi: 10.1038/nature09558

活動度の高い火山では、噴火に先立ってマグマだまりがゆっくりと膨張することが多い。そのような噴火の際には、マグマが流出して圧力が下がると、急速に収縮が起きる。活動度が中程度の火山については変形の様式はよくわかっておらず、例えばアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山では、2010年4月14日に始まった粗面安山岩山頂の爆発的噴火はヨーロッパの大部分で何日も空域を閉鎖することになり、航空交通を前例のない混乱状態に陥れた。この噴火に先立って、2010年3月20日から4月12日にかけて玄武岩が噴出する斜面噴火が起きた。2010年の噴火は、18年間にわたる間欠的な火山活動の最終段階である。本論文では、噴火に伴う変形は、単一のマグマだまり内の圧力変化とは関係しておらず、異例のものであったことを示す。変形は、最初の噴火の前には急速なものだったが(3月4日以降は1日当たり5 mm以上)、噴火の間にはほとんど変形がみられなかった。噴火と同時に起きる明瞭な収縮がなかったことは、この噴火の際に浅部から流出したマグマの体積は小さく、マグマはむしろかなりの深部から流出したことを示している。噴火前に起きた約0.05 km3のマグマ貫入が3か月にわたって、時間的にも空間的にも複雑な様式を経て成長したことが、GPS(全球測位システム)測地観測と人工衛星レーダー画像の干渉解析により明らかになった。2番目の噴火は火山の氷で覆われたカルデラ内で起き、マグマと氷の相互作用により爆発的に増幅された。噴火前の膨張したマグマだまりとは異なるマグマだまりがゆっくりと収縮したことは、測地学的データから明らかである。エイヤフィヤトラヨークトル火山の振る舞いは、断裂帯から離れ、地下構造の温度が低く浅部のマグマが少ない環境に起因すると考えられ、活動度が中程度の火山では典型的といえるかもしれない。数週間から数年にわたる火山活動の明瞭な兆候はその火山が活動を再開したことを示している可能性があるが、噴火直前の短い前兆は微細で検出するのは困難かもしれない。

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