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材料:調節可能なキラルネマチック構造をもつ自立型メソ多孔質シリカ膜

Nature 468, 7322 doi: 10.1038/nature09540

分子レベルでのキラリティーは、多糖類、タンパク質、DNAなどさまざまな生物構造にみられ、それらに独特な性質の多くはこれに起因している。多孔質無機固体にキラリティーを導入すれば、キラル分離、立体特異的触媒反応、キラル認識(センシング)や、フォトニック材料の作製に役立つと考えられる新規材料が得られる可能性がある。リオトロピック液晶の自己集合を用いた無機固体のテンプレート合成によって、規則的な多孔質構造をもつ材料が得られる。だが、六方晶系メソ構造体にキラリティーがキラル界面活性剤を用いて導入されたのは、つい最近のことである。自己集合を利用して、より大きな長さスケールでキラリティーを付与する取り組みは、ほとんど知られていない。今回我々は、ナノ結晶セルロースから形成されるキラルネマチック液晶の鋳型であるフォトニックメソ多孔質無機固体の開発について報告する。この材料は、表面積の大きい自立膜にできる可能性がある。この膜のピーク反射波長は、合成条件を変えるだけで、可視スペクトル全域から近赤外域まで変化させることができる。我々の知るかぎり、これは、メソ多孔性と、フォトニック特性を生み出す長距離キラル秩序を組み合わせた初の材料である。この結果は、例えばチューナブル反射フィルターやセンサーに使われる新材料の開発につながる可能性がある。さらに、この種の材料を硬質テンプレートとして使って、キラルネマチック構造をもつほかの新材料が得られるかもしれない。

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