Letter

生化学:薬用植物の代謝に炭素–ハロゲン結合形成を導入する

Nature 468, 7322 doi: 10.1038/nature09524

ハロゲン化はかつて、自然界ではほとんど生じないものと考えられていたが、現在では多くの天然物生合成経路で見つかっている。しかし、陸上植物から単離されたハロゲン化物はごく少数である。天然物の生物活性にハロゲン化が与えうる影響を考慮して、薬用植物の代謝にハロゲン化物を導入すれば、薬理学的特性が変化し、そしておそらくは特性が改善されたさまざまな新規植物由来物質が、生物工学により合理的に作り出される可能性があると、我々は考えた。本論文では、土壌細菌由来の塩素化生合成装置を薬用植物のニチニチソウ(Catharanthus roseus)に導入できたことを示す。今回使われた原核生物由来のハロゲナーゼは、植物細胞という環境内で機能して塩素化トリプトファンを生成し、これはモノテルペンインドールアルカロイド代謝に送られて塩素化アルカロイドが生じる。これにより、ハロゲンという新たな官能基がニチニチソウの複雑な代謝に導入され、予測可能かつ位置選択的な形で植物のアルカロイド産物に組み込まれた。したがって、薬用植物は遺伝的および発生的には複雑だが、それにもかかわらず合成生物学的研究の実用可能な基盤として使えると考えられる。

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