Letter 細胞:リンパ球パーフォリンの膜結合とポア形成の構造基盤 2010年11月18日 Nature 468, 7322 doi: 10.1038/nature09518 ナチュラルキラー細胞と細胞傷害性Tリンパ球は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を殺すという極めて重要な機能を果たす。そのために、これらの細胞は細胞質内の顆粒からパーフォリンというポア(穿孔)形成タンパク質とグランザイムというプロテアーゼを、標的細胞とそれに接しているキラー細胞の各細胞膜の間にできたすき間に放出する。パーフォリンは67キロダルトンのマルチドメインタンパク質で、オリゴマーを形成して標的細胞にポアを作り、アポトーシスを誘発するグランザイムを細胞質へと送り込む。パーフォリンの重要性をはっきり示しているのは、先天的なパーフォリン欠失が致命的な結果をもたらすことで、50種類以上のパーフォリン変異が家族性血球貪食性リンパ組織球症(2型FHL)に結びつけられている。今回我々は、マウスのパーフォリン単量体のX線結晶構造を決定するとともに、パーフォリンの作るポア全体を低温電子顕微鏡によって再構築し、パーフォリンによるポア形成機構を明らかにする。パーフォリンは細い鍵形の分子で、アミノ末端にMACPF(membrane attack complex perforin-like)/CDC(cholesterol dependent cytolysin)ドメインがあり、それに続くEGF(epidermal growth factor)ドメインは、カルボキシ末端の先端の配列とともに、中央部に棚状の構造を作っている。C末端のC2ドメインは、Ca2+に依存した最初の膜結合にかかわっている。最も意外なのは、ポア中のパーフォリンのMACPFドメインの向きが、CDCのサブユニット配置に対して裏返った形になっていることで、これは電子顕微鏡像から明らかになった。これらのデータは、保存されたMACPF/CDCフォールドの作用機構には著しい柔軟性があることを示しており、補体タンパク質などの類似の免疫防御分子が集合してポアを作る仕組みについての新しい手がかりとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る