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細胞:全ゲノムRNAiスクリーニングによって明らかになったヒト胚性幹細胞特性の決定因子

Nature 468, 7321 doi: 10.1038/nature09531

ヒト胚盤胞からのヒトES細胞(hESC)の誘導は、幹細胞生物学における画期的出来事の1つである。研究や臨床応用でhESCがその可能性を最大限に発揮するためには、hESC独自の特性を支配する遺伝的ネットワークの詳細な解明が必要である。本論文では、全ゲノムRNA干渉スクリーニングを行い、hESCで自己複製や多能性の特性を調節する遺伝子を同定したことを報告する。興味深いことに、転写調節とクロマチンリモデリングに関与する機能的に異なる複合体が、このスクリーニングで同定された因子に含まれている。これらのhESC調節因子候補の役割を解明するために、転写因子PRDM14について調べ、この因子が多能性の調節で機能的な役割をもつという新しい手がかりが得られた。PRDM14は、その近傍のエンハンサーを介して主要な多能性遺伝子POU5F1の発現を直接調節することがわかった。全ゲノム位置プロファイリング実験によって、PRDM14はOCT4、NANOGおよびSOX2などの他の主要な転写因子と広範囲にわたって共局在することが明らかになり、PRDM14がコア転写調節ネットワークに組み込まれていることが示される。さらに重要なことに、機能獲得性アッセイで、PRDM14は、OCT4、SOX2およびKLF4と共に、ヒト繊維芽細胞の再プログラム化効率を高められることがわかった。以上の結果をまとめると、今回の研究で多くの新規hESC調節因子が明らかにされ、なかでもPRDM14は、hESCの幹細胞特性の維持と、ヒト体細胞における多能性の再獲得に必要なカギとなる転写因子であることが実証された。

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